最近読み始めた漫画『天の血脈』

世間では初代『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインをした人として知られる安彦良和の漫画、『天の血脈』を読み始めた。

日本占領下の満州を描いた『虹色のトロツキー』は読んだことあったんだけど、『王道の狗』『天の血脈』と合わせて三部作みたいな位置づけだったとは知らなかった。

まだ最初の数巻しか読んでないので触りだけだけど、この『天の血脈』は、日露戦争が今にも始まりそうな時期の日本・朝鮮・満州が舞台で、大学教授に石碑の調査についていった学生である主人公が巨大な陰謀に巻き込まれるお話。

「その昔、天皇の母親が朝鮮に渡って戦争に参加したという記録が石碑に残っている」→「時期を考えたら天皇は朝鮮で妊娠した時の子だよね?」→「父親は朝鮮の王では?」→「つまり日本と朝鮮は兄弟国家」→「日朝はひとつの国になってロシアと戦おう!」

というやや強引な歴史の解釈で朝鮮併合を目論む計画が出てきたりと、色んな意味でハラハラするストーリー。

虹色のトロツキー』の題材となった満州国もだけど、このあたりの歴史ってまさに侵略の歴史であり、日本人の自分からすれば後ろめたい歴史ではあるんだけど、それ故に知識が浅くて新鮮味もあり、そしてこれはいけない事ではあるんだけど、背徳感に甘美さも感じてしまう。

用法用量を守って部屋を明るくして離れて読まないと危険な漫画だ。