最近読んだ本、AIの遺電子 Blue Age 2巻

『AIの遺電子 Blue Age』の2巻が出ていたので読んだ。

人間そっくりなヒューマノイドが社会に溶け込んでいる近未来を舞台としたお医者さん漫画。

mangacross.jp

2巻の中でも印象に残ったのは、やはり今タイムリーなAIによる信用スコア社会の回。

研修医の女性が職場の同僚との雑談の中でうっかり差別的な発言をしてしまい、その日を境に信用スコアが急降下する。焦ったその女性は疑心暗鬼になって精神バランスを崩し…というお話。

過去の失言やスキャンダルによって社会的な信用を失う話は五輪の開会式くらいから散々頻出しているニュースなのでそれを踏まえているのかなと一瞬思ったが、この話が雑誌に掲載されたのは今年の1月~5月というから、これは偶然だろう。もしくは作者がひと足早く社会の空気を汲み取ったのかも知れない。

近未来のこの漫画と現実に今起きている現象の大きく違うところは、監視するのがAIなのか人間なのかという点。 この漫画のAIは過ちを犯した人に懲罰的に振る舞うこと無く更生を温かく見守っている。 最近現実で起きてる深刻な問題に比べてこの漫画の話は軽いケースだったからそういう流れで済んだという面もあるけれど、ひょっとしたら現実よりこっちの方が幾分か生きやすい社会かも知れない。

と、ここまで書いところで「お前は今炎上している○○を擁護するのか!」という未知の読者の視線を感じた。

自分も既にパノプティコン症候群かもしれない。